| ■日本砕石新聞 第848号 平成19年6月15日 より |
| −主な記事− |
・年内目途にマニュアル作成 ベルコン災害防止対策委 技術大会で中間報告
・19年度は52兆3400億円 国交省 建設投資見通しまとめる
・技術書院 砕石業務管理者試験 問題集の発売を開始
・砕石切羽で地質を学ぶ 茨城協組 須藤氏講師に現地研修
|
| ■砕石切羽で地質を学ぶ 茨城協組 須藤氏講師に現地研修 |
|
 |
| (独)産業技術総合研究所 須藤定久氏 |
 |
| 岩石の風化について説明する須藤氏(右) |
 |
| 地質学的な見知から切羽の状況を解説 |
茨城県砕石事業協同組合(理事長=大泉砕石(株)会長・長谷川大紋氏)は6月9日、(独)産業技術総合研究所地圏資源環境部門鉱物資源研究グループ主任研究員の須藤定久氏を講師に招き、県北地区の
▽第一砕石(株)
(常陸大宮市、長谷部一男社長)
▽(株)川西砕石
(常陸太田市、杉浦和美社長)
-で現地研修会を開催した。
県の職員8人を含めた約40人の参加者が須藤氏の地質学的な見知からの解説を受けながら2つの砕石場を見学、さらに活発な質疑応答も行われ、地質についての見識を深めた。
この研修会は環境安全委員会(委員長=大泉砕石工場長・鈴木朝男氏)が毎年実施している研修事業として開かれたもので、一昨年にも同様の趣旨で研修会(見学地=大泉砕石(株)・五乙女鉱業(有))が開催された。
冒頭、鈴木委員長は「われわれは石で生計を立てている。基本となる石の性質を知らずに、ただ売っているだけではいけない。この研修会を通して石の性質について学んで欲しい」と述べた。
研修会の中で須藤氏は「地層というと、きれいに積み重なった層をイメージしがちだが、砕石として採掘しているところは様々な地層が混ざっているケースが多い。このため、ひと月後には石の品質が変わってしまうことも考えられる」と指摘し、これがクレームの原因にもなり得るため日頃からよく注意しておくことが必要だとした。
はじめに見学した第一砕石では、
▽新鮮な岩石と風化した岩石
▽頁岩層-
などについて説明が行われた。
須藤氏は跡地緑化として整形した小段の一部が崩落していた個所に着目し、「崩落は恐らくほとんど分からないような小さな断層があったためだと思われる。しかし、その事実をきちんと認識し、それより下の部分を整形する際には安全を考えて、
▽傾斜を緩くする
▽崩落しないような整形を行う
-などの処置を行っていくことが大切だ」と説明し、この事例を次に活かしていくことの重要性を説いた。
川西砕石では、
▽結晶変岩とその風化
▽超塩基性岩
-などについて話があり、「(同社は)コンクリート用として不向きな結晶変岩を採掘しているが、大塊で採れるという性質を利用し港や海岸の突堤などに使われる沈石として出荷している。特長を活かした非常に良い使い方だと思う」と評価した。さらに須藤氏は、長野県のある砕石場が自社の岩質の特長を活かし公園用の石として出荷している事例を紹介し、「特長を活かした形で製品を出荷することが事業の役に立つ」と提言した。
須藤氏は最後に「今後はユーザーがこういう性質の砕石を買いたいという流れになってくる可能性が高い。このため、自社の石がどういう性状なのかを知り、どういう用途に向くのかを考えていかなければならない」と述べた。
研修会終了後に、参加者から「採石場の安全や緑化を考えた場合、地質について知っておかなければならない部分も多い。今日の研修会は地質の権威が直に質問に応えてくれるもので非常に参考になった」「本や座学からの知識では、実際に現場で通用しない場合がある。そういう意味で非常に勉強になった」などの感想があがった。また、県の担当者は「安全を考えてこういう研修会を開催することは非常に良いことだと思う。われわれも今日の研修会を通して採石場と地質について勉強させていただいた」と評価した。
◇ ◇ ◇
須藤氏は本紙の取材に対し「他の県支部で同様の研修会を開催したいとの話があれば、ぜひ声をかけて欲しい」と語っている。
|